いつつ将棋教室

イベント 2020年4月8日

プロ棋士による子どものための将棋講座オンライン版開催レポート

金本 奈絵

自宅から楽しめるように

3月30日、谷合廣紀新四段をお招きして、プロ棋士による子どものための将棋講座オンライン版を開催しました。

いつもはいつつ将棋教室の生徒のために開催する特別講座なのですが、春休みに入っても、外出もままならない状況の中、いつつ将棋教室の生徒以外のお子さんたちも、辛い思いをしているに違いないという思いから、今回は全国の将棋好きのお子さんが自宅にいながらも楽しめるよう、動画のライブ配信とさせていただきました。

こちらが当日の模様です。

はじめてずくめ

今回ゲストにお招きした谷合新四段は「新四段」という表記からも分かるように4月1日にプロ棋士になりました。そのため、今回の『プロ棋士による子どものための将棋講座』は、谷合四段にとってプロ棋士としてはじめてのお仕事になりました。

そして、いつつ将棋教室府中校の「専門コース」選抜クラス」講師の中座先生のお弟子さんでもあります。

視聴者の皆様から色んな質問をいただきました

最初のプログラムであるトークショーでは、

「得意科目は何?」

「将棋とプログラミングの似ているところは?」

「将棋界の10年後は?」

などなど。チャットを通じてフレッシュな棋士である谷合新四段に様々な質問を視聴者の方々からいただきました。

ちなみに谷合新四段、実は料理動画を見るのが好きという意外な一面も見れました。「料理はされるのですか?」という質問に「いえ、まだ研究段階です」とのことでした!?

はじめての揮毫もゲットしました!

実戦大盤解説

トークショーに続いては、奨励会時代の実戦解説です。谷合新四段は個性的な将棋が持ち味。

今回の将棋では、

・中飛車という振り飛車なのに、左側に玉を囲う

・自分の囲いがある左側から端攻めをする 

・相手の飛車角を封じ込めて、相手の角を質駒にする

・「中合い」で詰ませいないテクニック

このあたりが、子どもたちも驚いた学びポイントだったようです。

構想力が求められる将棋が、小さい頃からお好きとのことでしたが、まさにその力が発揮された将棋でした。

ユーモアもある楽しい解説。次の一手問題も出していただきました。

ご声援ありがとうございます。

実戦棋譜解説を間にはさんで、今回最後のプログラムは指導対局です。

指導対局では、いつつの生徒さんたちが、6枚・4枚・2枚落ちで谷合新四段と対局しました。

配信では、対局の模様を中倉彰子が大盤で再現していたのですが、途中で、チャットを通じてがんばれーと声をかけてくれる人がいたり、終わってからも、いい対局だった、勉強になったとのコメントをいただけたのは、教室としてもとても嬉しかったです。

チャットを通じてご声援をいただきました。
対局のあとは大盤を使って感想戦


良い思い出になりました!

今回のイベントは子どもたちにとってもいつつ将棋教室にとってもとてもいい経験になりました。

さいごに(中倉彰子)

今回は新型コロナウイルス感染拡大のため、オンラインでの配信となりました。いつもは生徒で賑わうプロ棋士講座は今回は無観客。ただ動画配信をすることで、いつつ教室の生徒さん以外にも広くご視聴いただけたように思います。

 谷合新四段、頭が良くて将棋も強い!いったいどんな子ども時代を過ごしていたのかしら、などなど私も興味津々でした。「何事も楽しむという気持ちで取り組んでいました」とのこと。楽しい気持ちが、やる気とモチベーションにつながるのですね。

最後になりましたが、今回の初の試みにご協力いただきました谷合さん、ありがとうございました。棋士と研究者という二刀流でのご活躍、楽しみにしております。

谷合先生、ありがとうございました!

ゲスト棋士プロフィール

谷合 廣紀(たにあい ひろき)さん 新四段

1994年1月6日 東京都中央区出身
東京大学工学部電気電子工学科卒業、
同大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻博士課程に在籍中。
2006年奨励会に6級で入会。中座真七段門下。
2020年4月1日付で四段昇段(プロ棋士デビュー)
東京大学出身のプロ棋士は片上大輔七段以来史上2人目、女流棋士の渡辺弥生女流初段を含めると史上3人目となる。

大学では電子情報学を専攻。統計解析関連の著書もある。
2019年3月、自動車技術会主催の『Japan Automotive AI Challnege 自動運転AIチャレンジ』に、チーム「MTLLAB」の代表として参加し、シナリオ完走部門・制御精度部門の2部門を制した。
電子情報学の研究者としての活動も継続中。

この記事の執筆者金本 奈絵

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