イベント 2020年9月15日
シドニー将棋クラブさんの子どもたちとオンラインにて団体戦を行いました
先月いつつ子ども将棋教室の生徒とオーストラリアのシドニー将棋クラブさんの子どもたちで、オンラインにて団体戦を行いました。
シドニー将棋クラブ主宰のシュウマさんはシドニーを拠点に子どもたちに将棋を広める活動をされています。Twitterで「だいぶ皆二歩はなってきた!」「強くなってきている!」など絵文字で楽しく活動の様子を投稿されています。
シドニーに留まらず、キャンベラ・パースと広がっていて、今回はオーストラリアの子どもたちが参加したリーグの中から、代表3名を選出してくれたそうです。オーストラリで暮らす日本人とハーフの子が代表になったようです。
いつつ教室も「のびのび教室」と「専門コース」受講の生徒さんを対象にオンライン大会を開き、上位3名を代表に選びました。
当日は開会式にて、ルール説明や選手の自己紹介をしました。
選手と教室関係者のほか、生徒や保護者の方も応援に駆けつけてくれました。
いよいよ対局開始。
1局目、いつつ代表は3年生のN君後手番です。のびのびクラスに在籍しています。休校期間中、お父さんと『はじめての将棋手引帖3巻』テキストを使って定跡を復習したようです。またオンラインで実戦を多く積んだ成果で、ここ2ヶ月でぐっと棋力がアップしました。代表を選出する予選大会でも級が上の生徒にも勝つことができていました。
さて将棋の内容は、日頃から慣れている「四間飛車」ではなく、左美濃に。相手は矢倉囲いです。棒銀戦法で銀を上手に進めることはできたのですが、相手の角が利いていたため突破できず苦しい展開になってしまいました。
自陣を整えようとした銀引きが、相手の飛車で王手をされてしまう一手だったことをうっかりしてしまい、残念ながら負けてしまいました。
相手の大駒の利きはうっかりしてしまうことも多いです。トップバッターの緊張もあったかな。でもがんばりました!
2局目、専門クラスの居飛車コースを勉強中のK君。教室ではついついおしゃべりが行き過ぎてしまうこともありますが、将棋が大好きで明るい性格。自分の考えもしっかりと持っていて、指した手にきちんと理由を述べることができる生徒です。
居飛車コースですので、もちろん居飛車。相手は振り飛車の中でも「中飛車」という5筋に飛車を動かして戦う形となりました。
やや無理気味な攻めでしたが、飛車交換の後、☗2八飛と「自陣飛車」(自分の陣地に打つ飛車のこと)を放ち、これが良い手で優勢になりました。
持駒の飛車を使う場合は、相手の陣地に打つのが良い手になる場合が多いのと、心理的に「はやく勝ちたい」→「攻めたい」となり、相手の陣地に打ちたくなるものです。
ただ今回Kくんは、はやる気持ちを抑え、「自陣にスキを作らない」という発想で☗2八飛と手堅い一手を打つことができました。
こうした舞台で、冷静に判断できた精神面も含めて褒めてあげたい一手です。
その後も、相手が中飛車を生かした中央からの鋭い攻めが続きます。ハラハラドキドキの攻防戦でしたが終盤はギリギリのところで見事寄せ切り勝つことができました。
迎えた第三局。さあ勝っても負けても最終戦です。
いつつ教室専門コースのY君。この日のため、実戦と詰将棋に力を入れてきました。コロナ前は大会にも積極的に出場し入賞経験があります。
序盤早々銀を六段目に上げて、一気に攻めまくります。相手の形をみて、踏み込めると決断した時の鋭い攻めが彼の持ち味です。長所ではあるのですが、居玉(玉を囲わずに最初の位置にいること)で攻めまくるので、流れ弾がいつか飛んでくるのではと、ちょっとヒヤヒヤしました。私の心配をよそに、相手の力を出させる前にねじ伏せて勝つことができました。
相手の子も、こんなに早く攻め込まれた経験がなかったので戸惑ったのかもしれません。この将棋が経験になり、強くなってくれることと思います。
Yくんは、チームの勝利がかかっていたのでかなり緊張していたようでした。「負けたらグランド10周だから…」と家で話をしていたそうです。
子どもたちにとって、緊張感のある中で、集中して将棋を指す、という経験ができたように思います。
私も自分以外の対局で、こんなに緊張したのは久しぶりです、笑。
ということで、2勝1敗でいつつ将棋教室の勝利となりました。
シドニー将棋クラブの子どもたちは、将棋を覚えた期間が短いにも関わらず、序盤の形がとても良かったことが印象的でした。これからも引き続き実戦を積んで行けば、強くなる子ばかりです。「ぜひリベンジを!」と声をかけていただきました。オーストラリアの子どもたちの成長もこれから楽しみです。
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