上達 2018年9月18日
いつつ将棋教室神戸元町校 ほコース4週目
皆様、こんにちは。いつつ将棋教室神戸元町校の講師を担当しております、荒木隆です。
これまで、「ほコース」では
(1)囲いを崩す。
(2)相手の玉を捕まえる。
(3)自分の玉を安全にする。
この3つの技術を学んできました。
これらを理解すれば、連戦連勝待った無し!……と太鼓判を押したいところですが、残念ながら、これだけではまだ足りない部分があります。
それは、この技を使うタイミングです。
例えば、画像の局面からどうすれば良いのか、初心者の方にはなかなか難しいかと思います。
将棋は常に「攻め」と「受け」の選択をしなければいけません。そして、その選択を誤ってしまうと、形勢を損ねてしまうことにつながります。特に、終盤でのミスは勝敗に直結する可能性が極めて高いので、正確な指し手がより一層、求められます。
つまり、前述した技を使うことは大事ですが、もっと大事なことは、それを使う時期を見極めることなのです。今回はそのタイミングの見分け方について、学んでいきましょう。
速度計算をしよう!
突然ですが、ちょっとしたクイズを考えてもらいましょう。画像の局面で、どちらのほうが先に青印の場所へ到達できるでしょうか? なお、手番は先手番とします。(以後の問題も同様)
答えは、もちろん先手ですね。▲3三歩△7七歩▲3二歩…と互いに歩を進めていくしかありませんが、先手のほうが一足先にゴールにたどり着きます。
あまりにも簡単だったので、朝飯前だったとは思うのですが、基礎となる考え方は、ここに全てが詰まっています。将棋には、互いに同じ条件ならば、先に攻めたほうが勝ちという法則が存在するんですね。
なお、ここで言う「条件」とは、ゴールまでの手数のことです。つまり、互いにゴールにたどり着く手数が同じだったら、攻めれば良いということですね。
では、この問題はどうでしょうか?
まずは、ゴールまで必要な手数を数えてみましょう。先手は3手。後手は2手。であることが分かると思います。
したがって、▲3三歩△7八歩▲3二歩で「攻め」を選ぶと、△7九歩成で後手が勝ってしまいますね。
この場合は、「条件」が違うので攻めてはいけないのです。
よって、ここでは▲8七銀や▲8九銀で「受け」を選ぶのが正解になります。これで相手の攻めを封じてから▲3二歩→▲3一歩成を間に合わせれば、先手が勝つことができますね。
この例のように、攻め合いで条件が悪いときは、受けに回らなければいけないということが読み取れるかと思います。
つまり話をまとめると、攻守の見極める方法は、
(1)ゴールまでの手数を計算する。
(2)互いの条件が同じなら攻める。
(3)条件が悪ければ受ける。
となります。
さて。実際にはこれを実戦の場で応用しなければいけません。[実戦でのゴール=詰み]なので、まずは互いの玉が詰みに至るまでの手数を考えることから始めましょう!
改めて、冒頭の局面をもう一度表示しておきます。
ここまでご覧になってくださった読者の方々には、攻めるべきか受けるべきかの判断を自信を持って行えるのではないでしょうか? もちろん、毎度毎度、正しく判断するのは容易ではありませんが、速度計算の法則を意識すると、方針が見えてくるのではないかと思います!
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