いつつ将棋教室

上達 2018年9月30日

いつつ将棋教室神戸元町校 プレのびのびコース1週目

Takashi Araki

皆様、こんにちは。いつつ将棋教室神戸元町校の講師を担当しております、荒木隆です。
 

今回から新たに「プレのびのび教室」のコースに入ります。今までは主にテキストの問題をこなす講義形式でしたが、このコースでは実戦主体の講義内容になります。

 

これは様々な分野で共通していることだと思うのですが、教科書などでノウハウを培っても、いざ本番の舞台できちんとそれを発揮できるのかと言えば、そうでもなかった…という苦い経験は、皆様もあるのではないでしょうか?

 

特に、将棋はその傾向が強いように感じます。なぜなら、将棋は必ず未知の状況に直面するので、最初から最後まで習った通りには進まないのです。(余談ですが、将棋の指し手の可能性は10の220乗と言われています。人間の情報処理能力では、無限に等しい数字ですね。)

 

ただ、同じような局面にはならなくとも、似たような局面に持ち込むことはできるんです。それを何度も経験すると、その人なりの勝ちパターンや負けパターンが見えてきます。そういった要素は、テキストの問題を解くだけでは身に付かないですよね。「プレのびのび教室」では実戦を通して勝ちパターンを習得することが、テーマになります。

 

それでは、今回の講義の内容を簡単に記してみましょう。

 

きちんと駒組みをしよう!

この日は八枚落ちで生徒と対戦をしました。Aさんとの将棋を紹介したいと思います。

 

本当にこれで良いのかな……?

 

飛・角・香を使って果敢に攻めており、とても元気が良いですね。ただ、個人的にはあまり感心しない指し回しです。なぜなら、この指し方は、きちんとした駒組みが行えていないからです。

 

下手は9筋から攻めているのは良いのですが、囲いが作れておらず、守りに不安を覚えます。また、香という小駒の攻め駒(赤枠で囲った駒)が大駒と連動していないのも気掛かりですね。

 

もちろん、論理的には下手に悪い理屈がない局面なのですが、自分の経験上、こういった基本から逸脱した駒組みを行うプレイヤーは、大抵、敗北を喫します。

 

というわけで、Aさんに駒組みの仕組みを説明してみました。ちなみに、駒組みとは、

 

(1)戦法を決める。
(2)囲いを作る。
(3)攻めの形を作る。

 

この3つの工程を展開することです。

 

実は、Aさんには以前に、中飛車を教えていたのですが、忘れてしまっていたようです笑 しかしながら、改めて説明すると思い出してくれたみたいでした。良かった(*^^*)

 

気を取り直して指し直した二局目の将棋がこちらです。

 

これが、王道を行く駒組み!

 

どうでしょうか。なんだか、先程よりも、ずいぶんと本格的な印象を受けませんか。玉が美濃囲いに収まっていますし、銀が飛車と連結している(赤枠で囲った部分)ので、攻めの形も作れています。

 

駒組みを行うと、主に二つの恩恵が得られます。一つは、駒の働きが良くなることです。将棋の駒組みは様々な手法がありますが、その全てに共通していることは、一つひとつの駒の効率が良くなることです。なので、駒組みを覚えるだけで、上手に駒を使うことに繋がるのです。

 

もう一つは、指し手のパターン化ができることです。いつも同じ戦法・同じ囲い・同じ攻めの形を作っていれば、冒頭に記した通り、似たような局面に持ち込むことができます。それが蓄積すれば、自分なりの勝ちパターンを構築することができますよね。

 

形から入ることは、棋力向上の観点において、すこぶる重要です。私と一緒にきちんとした駒組みをマスターしてみませんか?

この記事の執筆者Takashi Araki

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